全国の派遣労働者の皆さん、 派遣労働者の人権を守るために日夜闘い続けておられるすべての皆さん。
当該派遣労働者が所属する宮城合同労働組合と現地のふくしま連帯労働組合は、巨大企業グループ・パナソニックグループ(今年 9 月まで松下グループ)の 17 年 6 ヶ月にわたる脱法派遣と今年 9 月の不当解雇を許さず、本日福島地方裁判所郡山支部にパナソニック電工に対する地位確認等の提訴を行なった佐藤昌子組合員の闘いを支え、共に勝利をかちとるべく、決意を明らかにします。
1. 松下電工は 1991 年 2 月に自ら面接し採用して松下電工郡山ショウームのアドバイザーとして働かせていた佐藤組合員を 2 ヶ月後、松下グループもっぱら派遣会社 アロービジネスメイツに移籍させました。しかし松下電工ショウルームでの接客業務が派遣可能業務でないため、アロービジネスメイツとの間の労働者派遣契約及びアロービジネスメイツと佐藤組合員 間の雇用契約を、 当時の派遣可能業務の一つである「事務機器操作の業務」に捏造しました。つまり松下グループは職業安定法第 42 条が禁止する労働者供給事業を開始したのです。そして 2003 年になると業務内容が従前と同じであるにもかかわらず「インテリアコーディネイターの業務」に業務名を変更しました。この業務名も実際の業務内容に該当せず、今日まで脱法行為が続行しました。
2. 松下電工は ショウルームアドバイザーである 佐藤組合員を当初から直接雇用しなければならなかったにもかかわらず、今年 9 月 30 日、自己の都合だけで派遣元アロービジネスメイツとの労働者派遣契約を解除し、この解除によりアロービジネスメイツが 17 年 8 ヶ月松下電工ショウルームで働いた佐藤組合員を雇い止め解雇したのでした。私たちは、日本有数いや世界有数の巨大企業グループの組織的犯罪をけっして許すわけにはいきません。
3. 佐藤組合員の主張は、 1991 年 4 月の脱法派遣をもって始まった松下電工の意図的な雇用義務違反であるとするものです。裁判所が 1991 年当初からの松下電工の佐藤組合員に対する雇用義務を認定し雇用関係の確認を宣告するものと私たちは確信します。
4. 佐藤組合員をショウルームから追放し生活を奪った翌日 10 月 1 日、松下グループはパナソニックグループに商号変更し「躍進・生まれ変わり」と宣伝して、パナソニック電工の親会社パナソニックは、さっそく三洋を吸収合併して国内第 1 位の電気メーカーに「大躍進」したのでした。派遣労働者の使い捨てが「大躍進」の原動力であるならば社会的に糾弾されねばなりません。
5. すべてのみなさん。今こそ派遣法のもとで労働者の権利が否定され、長年一生懸命働き続けても簡単に使い捨てられ企業だけが肥え太る、社会の貧困というべき現実を打開するため、派遣法廃絶と直接雇用を求めて闘い抜かねばなりません。
今秋の派遣法国会をめぐる闘い、現場で権利確立のために奮闘する派遣労働者、有期雇用労働者の闘いに連帯する意をこめて、私たちが全力でパナソニックグループとの闘いを開始したことを東北の地からお伝えすると同時に、全国の仲間の皆さんにご支援いただきたくお願い申し上げます。
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